孔子様をはじめとする儒教の先哲を先聖・先師として祭る際儀。
釈奠は牛、羊などのいけにえを供える大典で、略式を釈菜という
◎多久聖廟の釈菜は春と秋に行われ
杏・栗・鮒:雉肉・筍・芹・飯・餅・甘酒を供える
★4月18日
午前10:30時より11:30まで
釈菜の舞 11時30分〜11時45分
楊琴の調べ 11時45分〜12時
★10月の第3日曜日
釈菜終了後、釈菜の舞、中国獅子舞、腰鼓隊があります。
わが国では、大宝元年(701)二月に最初釈奠が行われた記録があり、
「大宝令」学令に2月と8月上旬丁(ひのと)の日に行う旨の規定がある
が、いったん廃絶し、江戸時代に幕府や諸藩によって再興された。
多久聖廟では、幕府や佐賀本藩へ遠慮をしたのか釈菜の形式が取られ、
元禄14年(1701)東原庠舎教授川浪自安を献官として釈菜を行った
とあり、これが最初で、以来、毎年春秋の2回釈菜が続けられている。
この釈菜は、江戸時代を代表する儒学者中村ロヨによる「釈菜儀節」に
基づき行われ、祭典を司る祭官、献官・掌儀・賛者・祝者・司尊・執爵・
執饌(3名)・執事諸役(若干名)・令人(若干名)よりなり、献官は
聖廟落成の時には邑主茂文が勤めたので、その後も邑主か代理として家老
格が当たることもあったようだが、常は東原庠舎の教授が命ぜられていた。
現在では、献官は市長、掌儀は市議会議長、賛者と祝者は熟練者、司尊は
教長、執爵・執饌は市内各学校長、令人ほかは市役所職員がこれに当たっている。
服装は、市長が勤める献をはじめ衆官が中国明代の祭官服で、令人ほかは烏帽子
・直垂という古式を維持している。祭典の日時は「釈菜儀節」によれば、旧暦の
2月と8月の丁の日の暁丑刻(午前2時)に始め辰刻(午前8時)に終わること
になっているが、今は4月18日と10月の第3日曜日の午前10時より11時まで
となっている。
祭典の途中に奏楽がならされるが、迎神と撤饌には「越天楽」、献饌のとき
「合歓塩」、送神には「抜頭」が奏でられる。楽器は鳳簫、龍笛、篳篥、渇鼓、
鐘鼓、太鼓が用いられるが、昔は筝や琵琶なども使われていたようである。
釈菜の式典は、佐賀県重要無形文化財の指定を受けており、当日は県内外から
多くの参詣者が訪れる。また全国の儒学の徒より漢詩が献じられる。 |